アト吉の皆様、残暑お見舞い申し上げます。
私、土曜日の人物クラスを担当している講師の伊野口景太(イノグチケイタ)と申します。
昨年より新型コロナウィルスの影響で世間は未曾有の惨禍となり、私を含め、皆様は不安な思いで過ごされているかと思います。そのような中、「三密」を避けながら楽しめる趣味として、絵画制作に興味を持つ方が増えていると聞き講師の私としては、僅かながら嬉しい気持ちもあります。
さて、生徒の皆様は今、冬に予定されているアト吉展に向けて制作している方が多いと思いますが、描いている中で「想像していたよりも上手く描けない」「予定通り進んでいるが、何か気に入らない」「そもそも、今描いている絵の状態が良いのか悪いのか分からない」といった事がないでしょうか?
一度こういった考えが頭に浮かぶと描くことのモチベーションが落ちてしまいますよね。
一番の解決策はやはり、担当の講師に相談してみると事です。(そのために講師はいますので)
しかしながら、レッスン以外での制作であったり、相談出来ない状況もあるかと思いますので、個人で出来る三つの解決策お伝えしたいと思います。
① 資料を充実させる
描き始めている場合は既に資料を用意しているかと思いますが、今描いているモチーフを補足するための資料、例えば人物画なら解剖学の資料や別アングルの写真等を増やしてみる。
静物のように実際にモチーフを組んでいる場合は、別角度から見て、軽くてスケッチしてあげると良いです
② 一度絵を寝かせる
夢中になって描いていると、自分では客観的に見ているつもりでも、意外と視野狭窄に陥っているものです。そのため、敢えて筆を置き、一旦描いてる絵を視界に入れない状況を作り、その後、改めて見直すと描いている最中には気が付かなかったことに気付いたりします。
さらに寝かしている間、絵のモチベーションがまだ残っている方は別の作品を進めてから戻ると、より一層客観的に見る事が出来るのでおススメです。
③ 自分のテーマを再確認する
最初モチーフを選んだ時、何かしらのテーマを持って絵に臨んだと思います。しかし、描き方など手段にに囚われすぎて、進めている内に目的であるテーマを見失ってしまう場合もあります。
特に絵の技術が上がってくると、もっと上手くなりたいという欲求が増え、とにかく上手く描かないといけないという錯覚に陥ったりします。技術とはあくまでも手段なので、ちゃんとテーマに沿っていれば上手さはあまり重要じゃない事が多いです。今描いている絵と、描こうとしているテーマとが乖離していないか確認してあげると良いです。
上記三点はどれも一度気持ちをリセットさせて、視座を変えて自分と絵を冷静に見るためにのものです。そうすれば、夢中になっている時には気付かなかった事にも気付き、描くことへのモチベーションが復活します。私も制作している時は①→②→③の順でループさせながら確認する事を意識しています。
この方法がお役に立てれば幸いです。
それでは皆様、熱中症とコロナにお気を付けて、どうぞご自愛なさってください。
皆様の描いた絵を拝見するのを楽しみにしています。