「古典技法を学ぶ」レポート


2月の短期集中講座では、古典技法の中でも「ヴェネツィア派」の画家達が行ってきた手法を学びながら、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を模写しました。

*キャンバス作り
下地が施されていない麻布を木枠に張って、キャンバスを作ります。

 

 


*「エマルジョン地作り」
講習1日目は、白亜と膠液とスタンドリンシードオイルを混ぜたエマルジョン液を作り、各自のキャンバスに塗りました。

この工程では、水性の液体の中に少しづつオイルを混ぜるという繊細な作業があり、皆さん緊張した面持ちで取り組んでいました。

*キャンバスに塗る作業
塗っては乾かし、塗っては乾かしを3~4回繰返し、平滑な画面を作っていきます。

*「インプリミトゥーラ imprimatur」(下塗りの意)
イエローオーカーとバーントアンバーを混ぜ、これをテレピンで希釈して薄く画面全体に塗ります。

*「グリザイユ技法」
「真珠の耳飾りの少女」をコピーしたものを、キャンバスに転写し、シルバーホワイトとアイボリーブラックを使って、モノクロで描いていきます。

*彩色
下地の白黒を生かしながら、絵具を薄く伸ばすように彩色していきます。

顔に施す陰影がほんの少し違うだけで表情が違って見えるので、筆を持つ手に緊張が走ります。

 

アトリエにずらりと「真珠の耳飾りの少女」が並びました。

初めて体験する技法で有名な絵を模写するということで、かなり難しい講座だったと思います。
講座中に仕上がらず絵画クラスで仕上げていらっしゃる方も多くいらっしゃいましたが、描きあがった作品のクオリティの高さには驚かされました。

短期集中講座「古典技法を学ぶ」 2月3日~24日 全4回

 

カテゴリー: 講習会