ワークショップ:下地作り講座

油絵やアクリル画の支持体としては、キャンバスが最もよく使われております。
市販のキャンバスは、主に亜麻を平織りした布に、油絵具のベースとなるリンシードオイルを主体にした油性の白色塗料を塗って作られているので、画面には布目があります。
今回の講座では、普段使うキャンバスの地とは違った、滑らかでマットなものとザラザラしたものの2種類の下地作りを2回に分けて実習しました。

まずは担当講師より、使用する溶剤や塗り方の手順など下地作りの説明を受けました。

今回使うのは、基底材の木製パネルと3種類のアクリル樹脂系の溶剤です。

パネルにヤニ止めの処置をした後、まずはマットな下地作りのためアブソルバンを塗っていきます。
もう一方のパネルには、ザラザラ下地のためのジェッソを塗ります。
アブソルバンは、筆跡が残らないよう注意しながら、乾かしては塗ることを3~4回行うことで、目の無いマットな下地を作ることができます。
2日目は、ザラザラ下地作りです。コースパミスゲルという溶剤を塗っていきます。これには細かな軽石粉が入っているため、ざらざらとした粒状のテクスチャーが得られます。ペインティングナイフを使って、表面を荒せば、まるで塗り壁のようです。思い思いにペタペタと、楽しそうでした。

アブソルバンで作った下地は、絵具の定着がよく、艶消し画面ができます。また、キャンバスのような布目が無いので、細密な描写が可能です。
コースパミスゲルの方は、砂を混ぜたようなテクスチャーで、キャンバスに描くのとは違った面白い描写ができます。
いつもとは違った下地で、表現の幅を広げてみてはいかがでしょうか。

『下地作り講座』2019年2月17日・24日

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